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はじめに~松浜軒について

 元禄元年(1688年)八代城主松井直之公が母崇芳院尼のために建てたお茶屋です。
 当時この辺りには松が茂り、八代海を見渡せる浜辺であったことから松浜軒と名づけられました。庭園には四季折々の花々が美しく、江戸時代の趣あるたたずまいをよく残した庭園です。

 毎年5月中旬から6月中旬頃の肥後花菖蒲の時期は、とくに見事で県内外からの多くの観光客で賑わいます。毎年6月の第一日曜日に開催される「肥後古流」による伝統あるお茶会「菖蒲の茶会」も有名です。
 また、毎年11月15日には、松浜軒近くの浅井神社の祭礼日で、午後から松浜軒庭内で妙見祭の獅子舞が披露されます。これも、江戸時代、八代城主の御前で披露していた伝統です。

 庭内の展示室では、松井家伝来の茶道具や絵画、雛人形など(財団法人松井文庫所蔵)が、季節ごとに内容を替えて展示公開されています。
 また、庭内には児宮(ちごのみや)や稲荷神社がまつられており、子供の無事な成長や家内安全・商売繁盛にご利益があるそうです。
 2002年に「旧熊本藩八代城主浜御茶屋(松浜軒)庭園」として国の名勝に指定され、城下町八代の歴史を今に伝えています。

ご挨拶

松浜軒 旧八代城主 松井家御茶屋(国指定 名勝史跡)
松井 葵之

 八代城主三代松井直之が元禄元年(1688年)生母崇芳院尼のために建てた御茶屋で、当初は八代海を見渡す浜辺に位置し、松風も聞かれたというのが邸名の由来である。代々の藩主も多く清遊を試み、「浜のお茶屋」の名でも知られた。現在は干拓で海からは遠く松も全滅し、欅や楠の老樹が淀んだ池水に昔の面影を映している。古くからあった赤女ヶ池・赤女ヶ森を庭園にとりいれ遠く阿蘇、金峰山、雲仙を借景としている。
 畏くも昭和24年天皇、皇后陛下の行幸啓を仰ぎ、以後も皇室の方々のお成りの栄に浴した。ツツジ、ヤマフジ、杜若、肥後花菖蒲、コウホネ、水連等の花々が季節には美しく咲き、森の中には稲荷神社、児宮も祀り、点在する多層塔、石灯篭等一段と園内に調和している。境内には展示場を設け松井家累代の文化財を公開、訪れる人の足を留めている。

松井文庫驥斎
展示室について

 松井文庫(一般財団法人)は、旧八代城主松井家伝来の古文書並びに絵画書蹟・陶磁器・武器武具・能関係品等の美術工芸品を保存・公開するとともに、これらに関する調査研究を行い、文化財の保護を図り、もって文化の発展に寄与するため昭和59年2月21日設立されました(同年6月博物館相当施設指定、翌60年登録博物館認可)。
 事務局・展示施設は、国指定名勝「松浜軒」(正式指定名称「旧熊本藩八代城主浜御茶屋(松浜軒)庭園)内にあり、年間を通じて常設展示を行っています。
 第一展示室は、驥斎(きさい)と呼ばれていますが、驥とは駿馬のことで、この建物がもと馬屋であったことに由来します。
 驥斎と第二展示室において、年間4期の展示替により、松井文庫の所蔵する名品を紹介しています。

財団法人
松井文庫について

 松井家伝来の古文書並びに絵画書跡・陶磁器・武器武具・能関係品等の美術工芸品を保存・公開するとともに、これらに関する調査研究を行い、文化財の保護を図り、もって文化の発展に寄与するため昭和59年2月21日設立。同年6月博物館相当施設指定、翌60年登録博物館認可。
 事務局・展示施設は松浜軒内(八代市北の丸3-15)にあり、年間を通じ常設展示を行っています。松浜軒の南向かいに位置する八代市立博物館では、展示の一角を松井文庫常設展示コーナーとして年間5~7期の展示替によりその所蔵品を紹介しています。